2012年11月30日

僕がBest Relationshipsという会社を創ろうとしている理由 1 - 若者が必要とされない社会

もう間もなく、今年度の就職活動が始まります。

厳選採用の枠に入ることができる一部の優秀な学生を除いて、
"若者が必要とされない社会" が広がっています。

人間が一人でできる仕事の範囲、量、規模はたかが知れています。社会に大きな影響を与える付加価値の高い仕事をするためには、人と人が連帯し、協力して一つのことを成し遂げる協力体制が必要になります。協力体制を成り立たせるだけの人間関係を構築する能力を持った人間が、一人前の社会人として認められるようになります。かつて若者には、新卒採用によって正社員となり、人と人、組織と組織(部署と部署・会社と会社)が連帯し、協力して一つのビジネスを成し遂げる、次元の高い協力体制を成し遂げるビジネストレーニングの機会が与えられていました。ところが、効率化によって人間がやっていた仕事を、代わってコンピュータやロボットが行うようになり、東南アジア諸国からホワイトカラーの人材が供給されるようになって、より安い人件費で同じ仕事ができてしまう選択肢が出現したことによって、正社員のうち、根幹に関わる業務を除いて、周辺業務が次々と人件費の安い外部社員に任されるようになっていきました(いわゆる アウトソーシング化 のことです)。

こういった社会情勢の変化を受けて、フリーランスという生き方がもてはやされるようになりました。正社員として根幹に関わる業務に携われる人の数が限られるようになり、減る一方で増える見込みがないことを察知した一部の前衛的な会社員が、独立して生きる道を開拓したのです。なぜならば、こういった根幹に関わる業務は、経験豊富な中高年が握っており、頑なに離さなかったからです。彼らには、住宅ローンがあり、養うべき妻子もありました。子供の教育にも多額の費用がかかるようになり、年齢と共に上昇していった生活レベルも今さら落とすことはできません。そういった失うものを多く抱えた中高年が、頑なに握り締めて決して離さなかったのです。

ところが、フリーランスという生き方ができるのは、正社員または正社員に準じる権限と責任を持った仕事(例えば、Webデザインとか、システムエンジニアとかといった、手を動かして何かをつくり出す仕事で、ある程度自己完結していて、専門職化が可能な仕事)の経験がある人間に限られていたのです。新卒採用の段階で正社員として採用されるか、計画を持って専門性を身に付けていった人間を除いて、フリーランスとして生きる道は閉ざされていたのです。つまり、正社員として雇うことのできる人数が減っていくということは、すなわち 協力体制を成し遂げるビジネストレーニングの機会が限られた人間にしか与えられなくなる社会の出現 を意味していたのです。

これに対し、一部の血気盛んな若者は、自らのスキルとリスクを総動員して新しいビジネスの立ち上げに走りました。ベンチャービジネスを営む会社の社長さんの元へ弟子入りするとか、自らの会社を立ち上げるとかして、可能性に賭ける人が次々と生まれていったのです。ところが、多くの起業家が市場の洗礼を受け、自立の厳しさに直面することとなります(開業後5年以内に85%の会社が倒産し10年存続する会社はわずか6.3%という調査結果もあります)。成功した起業家としてもてはやされるのは、挫折して失敗した数多の起業家の中から抜きん出た成功例に過ぎず、すなわち 成功した起業家の登場を以って協力体制を成し遂げるビジネストレーニングの機会がもたらされた とは言えないわけです。

大多数の若者にとっては、依然正社員または正社員に準じる権限と責任を持った仕事の機会を与えられることが必要なのです。にもかかわらず、限られた人件費の中で会社を維持していくためにリストラを進めると共に新規採用を限りなく絞っている。「あなたにもチャンスがある」みたいな謳い文句で大風呂敷を広げて説明会を行い、人を集めている会社がよくありますけど、実際のところは集めた人数に対してスズメの涙ほどの人数しか採用しないという会社がほとんどなのではないでしょうか。どこの会社も たくさんの若者を雇っている余裕などない というのが実情なのです。

このような "若者が必要とされない社会" において、どうして若者が 「将来のために今の自分を向上させていこう」 などという気持ちを湧き上がらせることができるのでしょうか。この事に気付いてしまった先生は、早々と戦意を喪失し、学生の身勝手な行動にも目をつむり、自らの研究、自らの講義、自らの職務に逃げ込んで、だんまりを決め込んでいるようです。一部の血気盛んな先生は、学生に向かって檄を飛ばして指導を試みますが、学生には届かない。先生の記憶の中にある 人と人、組織と組織が連帯し、協力して一つのビジネスを成し遂げる、次元の高い協力体制が健全に機能している世界 は、もうそこにはないのです(あるとしても、一部の優秀な学生に対してしか残されていないでしょう)。若者にとって、社会人として一人前と認められるようになるための躾(しつけ)はもちろん必要なのですけど、何よりも 社会人として一人前と認められる人間になり協力体制を成し遂げるビジネストレーニングの機会が確保されている という見通しを示し、安心感を与えてあげることのほうが先なのではないでしょうか。

僕が新しい会社を創ることで示していきたいのは、まさにこの見通しなのです。

 

posted by miraclestar at 22:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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