2021年11月20日

日本の言論界に巣食う病魔の根の深さ

先日、日本の言論界に巣食う病魔の根の深さを、まざまざと
見せつけられた出来事がありました。正確ではない歴史認識
をもたらす誤情報が出回っています。情報の発信元は誤情報
であった事を認めて謝罪しましたが、誤情報を元にした言論
が未だに出回っている事が分かりました。

NHKが日曜の夜に放送している「アンという名の少女」(中略)の評判がいい。(中略)放送中のシーズン2は、原作の「赤毛のアン」(モンゴメリ)にはないストーリーや登場人物が目立つ。ジョセフィン大叔母さまやフィリップス先生が同性愛者だったり、船で働いていたギルバートが友人になった黒人バッシュをアンボリーの村へ連れてきたり。きわめて今日的かつ政治的な問題提起の連続なのである。(中略)

しかし――。(中略)このようなドラマ作りは、ある種の歴史修正主義にも通じかねないのではないか?

原作が書かれたのは1908年だ。1世紀以上も前のプリンスエドワード島で、本作のような状況があり得ただろうか。(中略)歴史修正主義においては、南京大虐殺や従軍慰安婦、ホロコーストまでもが“なかったこと”にされている。(中略)どれほどの悲惨も陰惨も、歴史は歴史として正視しなければならない。(後略)(筆者:斎藤貴男)


〈日刊ゲンダイ 11月17日(11月16日 夕刊) 5面〉

「歴史は歴史として正視しなければならない」と言いながら、
筆者の歴史認識が正確ではないと言う、申し訳ないですけど、
間抜けな記事です。

日本の従軍慰安婦問題については、いまから40年と少し前に
日本の国家としての関わりを「主張」した人物がいて、新聞
で取り上げられて問題とされる様になって以降、多くの者が
真実の解明に取り組み、検証を繰り返した結果、虚偽であり、
裏付けの得られない内容であった、との結論が出て、新聞社
の役員が謝罪会見まで行っています。

慰安婦問題における、日本の国家としての関わりについては、
虚偽であり、裏付けの得られない内容であった、との結論は、
歴史の審判を受けた、極めて信頼性の高い、確度の高い結論
なのです。

野党の政治家の中には、過去に誤情報を基にした主張を展開
していた政治家が、いまも現役で残っています。謝罪会見が
あって以降、現職議員で同様の主張を展開した事例は、知る
限りありませんが、過去の主張の誤りを認め謝罪した事例も、
知る限りありません。

この事が、選挙結果に少なからぬ影響を及ぼしているのでは
ないかと思います。歴史認識に注意を払う有権者にとっては
誤情報を基にした主張を展開する政治家は、比較の選択肢に
入らないと言う事です。



もしまだ「納得出来ない」と言う人がいるのであれば、限ら
れた人以外に、「“従軍”慰安婦」の存在を主張する人間が
現れない現実を直視すると良いでしょう。逆に、当時の日本
側だった人間の証言にも耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

 

立憲民主党の代表選挙が行われている様です。次期代表には
是非とも、「立憲主義」について、きちんと理解した人物に
就いていただき、前身政党の結党以来掲げる「ボトムアップ
の政治」を、今度こそ実現してもらいたいです。

前代表の枝野幸男氏は、「立憲主義」の理解が不十分であり、
その結果「ボトムアップの政治」も中途半端に終わりました。

枝野幸男氏が唯一理解していた立憲主義は、憲法のレベルに
適用される立憲主義で、その分野に限れば「さすがだな」と
思わせる発言をしていましたが、それ以外はさっぱりでした。

立憲主義とは、何も憲法に限った話ではありません。憲法が
立憲主義が最も明晰に現れる理想空間である事には、間違い
ないのですが、もっと日常の議員活動の中で普段から使って
いく考え方として、援用していく事が可能なのです。


〈2020年7月17日〉

当ブログでこの点を指摘したところ、ほぼ時期を同じくして
枝野幸男氏は拡大路線へと舵を切り、盲進を始めました。

唯一理解していたはずの憲法のレベルに適用される立憲主義
においても、今年五月、足元では、その旗を踏みにじる様な
動きが進められてしまいました。

(前略)この連休中に事態が一気呵成に動き出した。菅自民党が改憲の「第一歩」と位置づける国民投票法改正案が、きょう(5月6日)の衆院憲法調査会で採決され、今国会で成立する見通しになったのだ。この国民投票法改正案は、2018年から9国会にわたって採決が先延ばしされてきた。投票の公平性を確保する「CM規制」や、一定の投票率に達しなかった場合に不成立とする「最低投票率」に関する規定もなく、生煮えだからだ。今国会で成立しなければ、秋までに必ず行われる解散・総選挙で廃案になるはずだった。そういうタイミングで急転直下、与野党が採決に合意したのである。CM規制や外国人寄付規制について、改正案の付則に「改正法施行後3年をめどに検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と明記する立憲民主党の修正案を与党側が丸のみして採決するという。(中略)「付則は法的な拘束力に乏しく、努力義務のような扱いです。平気で約束を反故にするのが現政権だから、まったく信用ならない。(中略)廃案を恐れて採決を急ぐ与党に対し、野党があと数週間粘れば成立を阻止できるのだし、『不要不急の改憲よりコロナ対策に集中しろ!』と不信任決議案を出して抵抗してもいいくらいなのに、立憲民主党は何を考えているのか。(中略)」(本澤二郎氏=政治評論家)(後略)

〈日刊ゲンダイ 5月7日(5月6日 夕刊) 2面〉

立憲民主党はそれ迄「安倍政権下での改憲議論には応じない」
との姿勢を打ち出していました。ところが、安倍政権が倒れ、
安倍路線を踏襲する菅政権が誕生するとこれを逆手にとって
「立憲民主党が改憲議論に応じない理由としていた安倍政権
が無くなったのだから改憲議論に応じたらどうだ」との趣旨
の挑発を、あろう事か安倍氏本人がしたのです。

大手紙が伝えたところによると、当時の憲法調査会長は、件
の妥協案について党内の強硬派を説得して回っていた様です。
筋を通そうとする意見を抑えて迄、妥協に逃げ込んだのです。

先日の衆議院議員選挙では、自分自身の投票によって、この
元憲法調査会長を落選に追い込む事が出来ました。妥協路線
を否定出来た事は、数少ない成果のひとつだと思います。

しかし、最初のうちは粋がって抵抗する素振りを見せておき
ながら、採決の直前になると態度を豹変させ骨抜きにされた
主張を組み込む形で妥協し、現状変更に手を貸すのは、立憲
民主党の骨身にしみ込んだ伝統芸だと思います。

枝野幸男体制末期には、巨大組織の言いなりになって、妥協
のない批判を、少なくとも立憲民主党よりは続けていた日本
共産党を疎外し、選挙協力しながら「単独政権を目指す」と
言ってみせたりもしました。

自民党の資金提供を受けたツイッターアカウントが立憲民主
党を攻撃し、巨大組織が注文をつけ、その意向をくんだ新聞
社が外堀を埋めて来れば、ひよりそうになるでしょう。

次期代表の下では、くれぐれもこの様なデタラメが起きぬ様、
代表選挙では、各候補共聞こえの良い事を言うでしょうけど、
ひよりそうになったとき、立憲主義を貫く事が出来る人物は
誰なのか、人間性と能力を、見極めていただきたいものです。



代表選挙の結果は「該当者なし」で、消去法で漁夫の利を得
た者が選ばれてしまった印象です。この文章を書くにあたり
「近いんじゃないか」と期待した候補者はいましたが、及び
ませんでした。他の候補者を引き離す要素が「足りなかった
面は否めませんが「立憲主義」の党になる可能性は摘まれて
しまいました。国政政党で野党第一党でもある事を踏まえる
と「次は無い」と考えざるを得ないと思います。翼賛体制に
組み込まれ、後戻り出来ないところ迄連れて行かれる可能性
があります。枝野幸男氏が拡大路線へと舵を切り、粗製乱造
の「大きな固まり」をつくってしまった結果、もはや「行く
ところ迄行くしかない」と言う事ではないでしょうか。

 
posted by miraclestar at 19:00 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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